[水溶液の濃さ]でつまづくたった2つの原因

こんにちは。中学受験の算数をメインに指導している田中です。今回は単元水溶液の濃さでつまるところとその対応策について紹介していきたいと思います。水溶液の問題は最初から得意な生徒も多くはないと思いますが、水溶液の濃度の問題でつまづく理由は、たった2つです。その対応策をお伝えするとともに、そして生徒の濃度の理解力がわかるなと思う問題を紹介したいと思います。

  • 濃度の概念が理解できない
  • ビーカーの図が適切に書けない
  • 感覚として濃度が掴めるということ

ステップ1:濃度の概念が理解できない

濃度でつまづく最初のポイントは、食塩、食塩水、濃度の関係の理解です。下記の3つの式がごちゃごちゃになり、問題を解く時に割るなのか、かけるなのか、わからなくなることがよく起こります。私自身も小学生のときは何度も間違えました。このポイントに関しては、ある程度初期の段階で間違えるのはしょうがないですが、一つだけ言えるとすれば単位に気をつけようです。食塩(g)を求めたいのなら、少なくとも食塩水(g)が分母に来ることはないですよね。
この3つの関係は濃度の問題を解く際には絶対に必要ですので、勉強する度に紙に書き出して浸透させていくのが良いと思います。

ステップ2:ビーカーの図が適切に書けない


繰り返しにはなってしまいますが、小学生は絵を描いたら理解できることでも、文章のままだと手も足も出ない、ということはよくあります。このあたりの全ての単元に関する記事はこちらです。
例えば、食塩25gに水100gを入れると濃度何%の食塩水ができますか。という問題ですが、下のようなビーカーの図(状態の遷移図)が描けます。

多少の違いはあったとしてもビーカーの図がこのようにかけていない場合は問題の状況把握ができていない場合があります。その場合には、問題文とビーカーの図の対応をもう一度一緒に確認してあげることをお勧めします。この時に、そもそも問題文をしっかり読めていない、という状況であれば、こちらもご確認ください。
もちろんビーカーの図だけでは解けない複雑な問題も存在しますが、問題文を正確に理解し、食塩水と食塩と濃度の図に変換できること、が何よりも大切です。

つまづくポイントまとめ

水溶液をマスターする時につまづくポイント2つ

  • 濃度の3つの値の関係性を理解できているか
  • ビーカーの図を書いて問題文を理解できているか

コラム:感覚として濃度が掴めるということ

濃度という概念がよく浸透しているな、濃度が分かっているな、と思う生徒さんの特徴をご紹介したいと思います。5%の食塩水200gのビーカーAと8%の食塩水200gのビーカーBを混ぜた時に濃度は何%になりますか。という問題の時、答えが瞬時に出てくる生徒さんです。食塩水の重さがAとBで同じなのだから濃度も5%と8%の平均になるはずなのです。もちろん計算して答えを正しく求めていくことも大切ですが、これくらいの値になるだろうな、とあたりをつけて計算を始めたり、検算をしたり、といったことも非常に大切になります。逆に、この問題の答えが5%〜8%の間に収まっていない場合、濃度という概念を捉え切れていないです。なので、間違えた場合でも間違え方を確認するのは重要です。濃度はただの数字の計算ではなく食塩水と食塩水を混ぜるという現象なのだ、という理解がどれほど養われているか、ということも大切です。

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